実践

ダンサー・モビールの作り方|ホログラム紙が舞う、視覚モビールの仕上げ

色の濃淡をたどるゴビをよく見てくれた赤ちゃんに、次は軽やかに舞う動きを見せてあげたい——そんな方へ、この記事ではモンテッソーリのダンサー・モビールを例に、身近な材料・大まかな作り方・きれいに仕上げるコツ、そして安全な吊るし方までを順にお話ししていきます。視覚モビール4種類の、いよいよ仕上げの段階です。

コッ子さん

先生、ゴビの濃淡はよく見てくれたので、最後のダンサーに進みたいんです。人の形って、作るのが難しそうなんですけど、どう作ればいいんですか?

先生

いい流れですね。ダンサー・モビールは、光を反射する紙で作った人の形が、空気の流れでそれぞれ別々にくるくる舞うもの。4種類の中でいちばん動きが複雑で、踊っているように見えるんです。今日は材料選びから安全な吊るし方まで、一緒に見ていきましょう。

まだゴビを作っていない方や、モビールをいつから・どの順番で使うのかを知りたい方は、先にモンテッソーリ・モビールの4種類と安全な飾り方を読んでおくと、この記事がぐっと分かりやすくなります。ひとつ前の色の濃淡のモビールから作りたい方は、ゴビ・モビールの作り方へどうぞ。

手作りの前に|ダンサー・モビールってどんなもの?

ダンサー・モビールは、光を反射するホログラム紙などで作った、踊る人の形を3〜4体吊るしたモビールです。頭・胴・手足のパーツを別々に作り、糸やリングでゆるくつないでいるので、空気のわずかな流れでパーツがそれぞれ違う向きに動きます。その様子が、まるで踊っているように見えることから「ダンサー」と呼ばれています。

八面体やゴビまでは、じっと見つめる「色」が主役でした。ダンサーでは、光を反射しながらひらひらと軽やかに動くことが主役になります。パーツ同士がゆるくつながっているぶん、動きが単純な回転にとどまらず、複雑に変化していくのが特徴です。

順番でいうと、モンテッソーリの視覚モビールはムナリ→八面体→ゴビ→ダンサーと進みます。ダンサーを使うのは、目安として生後2〜3か月ごろ。形がくるくる変わっても目で追えるようになってきたころに向いています。4種類の仕上げにあたる段階です。

コッ子さん

今までのモビールより、ずいぶん動くんですね。

先生

そうなんです。この時期の赤ちゃんは、少し複雑な動きも目で追えるようになってきます。だから、わざと動きに変化のある形を用意して、目でたどる楽しさを味わえるようにしてあげるんです。

月齢は選ぶときのおおよその目安です。動くものを目で追う力の育ち方には一人ひとり幅があるので、カレンダーどおりに替えるより、赤ちゃんが心地よさそうに眺めているかを手がかりにしてください。

100均で揃うダンサー・モビールの材料と道具

ダンサー・モビールに使う軽くて光る紙、棒、糸、リングなどの材料とはさみなどの道具

ダンサー・モビールの材料も、多くは100均(セリア・ダイソーなど)で揃います。ポイントは、光を反射する軽い紙を選ぶこと。重い紙だとパーツが動かず、ダンサーらしい軽やかさが出ません。

材料の目安

  • ホログラム折り紙・光沢紙……頭・胴・手足のパーツを切り出します。光を受けて反射する、薄くて軽いものが向いています
  • 吊るす棒(竹ひご・細い丸棒・園芸用の細い支柱など)
  • 白い糸やテグス(透明の釣り糸)……パーツ同士や、人形と棒をつなぎます
  • 手芸用の小さなリング……頭・胴・手足のつなぎ目に使うと、動きがなめらかになります
  • 天井に留める金具やフック

道具の目安

  • はさみ(人形の形を切るため)
  • 鉛筆(パーツの下書きに)
  • 木工用ボンドや両面テープ(糸の端を留めます)

品揃えは店舗や時期で変わるので、同じものが無いときは似た素材で代えてかまいません。ホログラム紙が手に入らないときは、片面がメタリックの光沢のある折り紙でも代用できます。大切なのは、紙の種類より「軽くて、光を反射して、ひらひら動くこと」です。身近な材料で始めるアイデアは、100均でできるおうちモンテのお仕事にもまとめています。

ダンサー・モビールの作り方|人形を切ってゆるくつないで吊るす

パーツを切る、ゆるくつなぐ、3〜4体そろえる、高さを変えて吊るすダンサー・モビールの作り方4ステップ

作り方は、大きく分けて「パーツを切る → ゆるくつなぐ → 棒に吊るす」の流れです。ここでは家庭で作るときの大まかな手順を紹介します。

  1. 人形のパーツを切り出す……ホログラム紙から、頭(丸)・胴(少し大きめの形)・手足(細長い形)を切り出します。1体につき、頭・胴・手足を用意します。裏にも光る面がくるよう2枚貼り合わせると、どちら向きに回っても光ります。
  2. パーツをゆるくつなぐ……頭・胴・手足を、糸や小さなリングでつなぎます。このとききつく結ばず、少しゆとりを持たせるのがダンサーのコツ。つなぎ目がゆるいほど、パーツがそれぞれ別々に動きます。
  3. 3〜4体をそろえる……同じ手順で、踊る人形を3〜4体作ります。色を変えたり、少し大きさを変えたりすると、吊るしたときに見え方に変化が出ます。
  4. 棒に吊るす……人形の頭の上に吊るす糸を通し、棒に結びます。それぞれ違う高さに吊るすと、空気の流れを受けて別々に動き、全体がにぎやかに舞います。

「作り方は簡単そう」と感じるかもしれませんが、実際にやってみると小さなパーツを軽く切りそろえることつなぎ目のゆとりを整えることが、思いのほか手間のかかる工程です。まずは1体だけ作って動きを確かめてから、残りに進むのがおすすめです。

きれいに仕上げるコツ|軽く作る・つなぎをゆるく・バランス

ダンサー・モビールを軽く作り、つなぎ目をゆるくして、棒の水平を探す仕上げのコツ

ダンサー・モビールの仕上がりを左右するのは、大きく3つ。パーツの軽さつなぎ目のゆるさ、そしてバランスです。

パーツの軽さは、ダンサーがいちばん大切にしたいところです。紙が重かったり、糸やボンドを使いすぎたりすると、せっかくの人形が動きません。パーツは小さめに、貼り合わせる紙も薄いものを選び、ボンドは端に少しだけ。軽く作るほど、わずかな空気の流れでもひらひらと舞います。

つなぎ目のゆるさは、動きの複雑さを決めます。頭・胴・手足をきつく固定すると、人形全体が一枚板のように回るだけになってしまいます。糸に少しゆとりを持たせたり、間に小さなリングをはさんだりして、パーツがそれぞれ別々に揺れるようにするのがダンサーらしさです。

バランスは、棒に糸を結ぶ位置を少しずつずらしながら、指1本で棒を支えて水平になる点を探すのが基本です。人形はどれも軽いので、少しの重さの差でも傾きます。3〜4体の高さをずらしながら、全体が傾きすぎていないかを確かめておきましょう。

正直にお伝えすると、軽さと動きを両立させる調整は、思っている以上に細やかな作業です。そのぶん、光を受けて舞う人形を赤ちゃんが目でたどってくれる時間には、格別のうれしさがありますよ。

ダンサー・モビールの安全な吊るし方

顔の真上を避け、手の届かない高さに固定し、毎回点検して見守るダンサー・モビールの安全な吊るし方

手作りモビールでいちばん大切なのが、吊るし方です。ダンサーは小さなパーツをゆるくつなぐぶん、つなぎ目のゆるみや、糸と棒をつなぐ部分の点検を、飾る前にしっかり整えておきましょう。安全の考え方は、ムナリモビールの手作り記事の吊るし方とまったく同じです。ここでは要点を4つにまとめます。

部品が外れない工夫をする

  • 糸の結び目は二重にし、使うたびにゆるみやほどけがないか確かめる
  • 頭・胴・手足のつなぎ目や、小さなリングが外れていないかをたしかめる
  • 棒と糸のつなぎ目、天井の金具も、落ちてこないか毎回たしかめる

顔の真上ではなく、少し先に飾る

赤ちゃんをあお向けにしたとき、人形が顔の真上に落ちてこない位置——視線の少し先に飾ります。万が一外れても顔にかからない場所を選ぶことが、安全の基本です。

手の届かない高さに、しっかり固定する

  • 赤ちゃんが手を伸ばしても届かない高さに吊るす
  • 天井やフックにしっかり固定し、ぐらつかないようにする
  • 手を伸ばしてつかもうとしはじめたら、視覚モビールは卒業の合図

眠る場所には常設しない

モビールは、赤ちゃんが起きて過ごす活動スペースで、大人がそばで見守れる時間に使うものです。ベビーベッドなど眠る場所に置きっぱなしにせず、寝かせるときは外すか、安全に離れた場所へ移してください。

対象月齢の目安は、ダンサー・モビールとしては生後2〜3か月ごろから、手を伸ばしはじめる生後4〜5か月ごろまで。発達には幅があるので、月齢表よりも赤ちゃんの様子を手がかりにしてください。

ダンサー・モビールの安全チェック

  • 糸・棒・パーツのつなぎ目が外れないか、使うたびに確かめる
  • 顔の真上を避け、落ちてこない位置に飾る
  • 手の届かない高さに、しっかり固定する
  • 眠る場所には常設せず、起きている時間に見守って使う

よくある質問

ダンサー・モビールはいつから使えますか?

目安は生後2〜3か月ごろ、色の濃淡をたどるゴビの次の段階です。形がくるくる変わっても目で追えるようになってきたころが、替えどきのサインになります。今のモビールを心地よさそうに見ているなら、急いで替えなくてかまいません。

ゴビとダンサー、順番が前後してもいいですか?

大丈夫です。ムナリ→八面体→ゴビ→ダンサーの順番は、「はっきりした色→色の濃淡→複雑な動き」という見る力の育ちに沿った目安で、月齢も重なっています(ゴビは生後1〜3か月ごろ、ダンサーは生後2〜3か月ごろ)。今のモビールを心地よさそうに見ているならそのまま、別のものに目を向けはじめたり、飽きたサインが見えたりしたら次へ——カレンダーではなく、赤ちゃんの様子を手がかりにしてください。

4種類を全部そろえないといけませんか?

いいえ、全部そろえなくて大丈夫です。今の赤ちゃんが見やすそうなものを一つ用意すれば十分で、ダンサーだけを作って楽しむのもかまいません。順番どおりに全種類をそろえることより、赤ちゃんが心地よさそうに眺めているかを手がかりにしてください。

ダンサーの次は何に進みますか?

ダンサーは視覚モビールの仕上げなので、この次は視覚モビールそのものの卒業に向かっていきます。赤ちゃんが手を伸ばしてつかもうとし始めたら、それが卒業の合図。目安は生後4〜5か月ごろまでです。手が届く時期になったら、見て楽しむモビールから、にぎって遊べる触覚の教具へと少しずつ移っていきます。

まとめ|4種類の仕上げに、軽やかに舞う動きを

ゴビの次に使うダンサー・モビールを軽いパーツでゆるくつなぎ安全に固定するまとめ

  • ダンサー・モビールは、光を反射する紙で作った踊る人形を3〜4体吊るす、複雑で軽やかな動きを楽しむモビールです
  • 順番はゴビ→ダンサー。目安は生後2〜3か月ごろ、視覚モビール4種類の仕上げの段階です
  • 材料の多くは100均で揃い、軽くて光を反射するホログラム紙が主役になります
  • 作り方は「パーツを切る→ゆるくつなぐ→吊るす」。パーツの軽さとつなぎ目のゆるさが動きを左右します
  • 吊るし方は、顔の真上を避け、手の届かない高さにしっかり固定。眠る場所には常設しません
コッ子さん

これで4種類、全部の作り方が分かりました。まずは1体だけ、軽く作って動きを確かめるところから始めてみます。

先生

それがいちばんですよ。パーツが少しゆがんでも、動きが完璧でなくても、赤ちゃんはちゃんと舞う人形を目で追ってくれます。ムナリから始まった4種類の仕上げを、ご家族で楽しみながら作ってみてくださいね。

これまでの作り方をおさらいしたい方は、白黒のムナリモビールの手作り記事、色と光の八面体モビールの作り方、色の濃淡のゴビ・モビールの作り方へ。モビール全体の順番や替え時をもう一度確かめたい方は、モンテッソーリ・モビールの4種類と安全な飾り方へ戻ってみてください。

(※ おうちで受けられるモンテッソーリレッスンは現在準備中です。くわしくは追ってお知らせします。)