「おうちモンテを始めたいけれど、教具はちょっとお高い……」——そんなときに頼りになるのが、 100円ショップです。この記事では、セリアやダイソーで手に入りやすい身近な材料でできる 「お仕事」(モンテッソーリでは子どもの活動をこう呼びます)のアイデアを、先生といっしょに 具体的に紹介していきます。気になったものからブックマークして、少しずつ試してみてください。
そもそも「おうちモンテって何から?」という方は、始め方をまとめた記事もあわせてどうぞ。
なお、この記事で紹介するアイデアは1〜3歳ごろを目安にしたものです。
100均でおうちモンテを始める前に(安全と選び方の3つだけ)

先生、100均でおうちモンテができるって聞いて、さっそくやってみたいです! でも、いざお店に行くと何を買えばいいか分からなくなりそうで……。
気持ち、分かりますよ。だからこそ、アイデアを見る前に「安全」と「選び方」だけ 先にお伝えしますね。ここさえ押さえれば、あとは楽しむだけです。
具体的なアイデアに入る前に、大切なことを2つだけお伝えします。楽しく続けるために、 ここだけは最初に読んでおいてください。
対象月齢は「目安」。小さなパーツは誤飲に注意
この記事では、それぞれのアイデアに対象月齢の目安を添えています。ただし、これは あくまで目安です。発達のペースは一人ひとりちがうので、お子さまの様子を見ながら 調整してください。
そして何より大切なのが安全面です。小さなパーツは誤飲の心配があります。とくに 何でも口に入れたがる時期は、口に入る大きさのものを避けるか、大きめのパーツを選び、 必ず大人が見守れる範囲で行いましょう。ひもやビニールも、遊び終わったら 手の届かないところに片づけると安心です。
まず1つ、子どもが今夢中なものから
もう一つのコツは、あれもこれもと揃えないことです。100円ショップだとつい かごいっぱいに買いたくなりますが、まずは1つ。お子さまが今いちばん夢中になっていること (つまむ・落とす・注ぐ、など)に合いそうなものを、一つだけ選んでみてください。
始める前の3つの約束
- 対象月齢は「目安」。お子さまの様子に合わせて
- 小さなパーツは誤飲注意。大人が見守れる範囲で
- まず1つだけ。今夢中なことに合わせて選ぶ
※ 100円ショップの品揃えは店舗・時期により異なります。同じものが無いときは、似た形・素材のもので代用してください。
手先を使うお仕事アイデア(1〜2歳ごろの目安)

じゃあ、まずは何から始めるのがいいですか? うちの子、最近なんでも つまんだり、落としたりするのが好きみたいで。
それなら「手先を使うお仕事」がぴったりですね。つまむ・落とすは、この時期の子が 夢中になりやすい動きなんですよ。指先を使う経験は、集中する力にもつながると言われています。
小さな手で「つまむ」「落とす」「通す」——こうした動きは、指先の発達につながると 言われています。まずは、手を使う楽しさを味わえるアイデアからどうぞ。
ポンポンボールの色分け・つまみ移し
手芸コーナーで手に入りやすいポンポンボール(丸い毛玉のような飾り)を使ったお仕事です。 色ごとに分けて別々の容器に入れたり、指やトングでつまんで移したりします。製氷皿や 仕切りのある小物入れを器にすると、分ける遊びがしやすくなります。
- 対象月齢の目安:1歳半〜2歳ごろ
- 用意するもの:ポンポンボール(大きめ)、仕切りのある容器や製氷皿、あればトング
- 安全メモ:ポンポンボールは口に入る大きさです。口に入れたがる時期は特に、大人が見守れるときだけに
ペットボトルのふた落とし・ひも通し
家にあるペットボトルのふたを集めて、貯金箱のように箱の穴へ「落とす」お仕事です。 ふたに穴を開けてひも通しにすれば、少し月齢が上のお子さまも楽しめます。落とす音や 手ごたえが、子どもの「もう一回!」を引き出しやすいアイデアです。
- 対象月齢の目安:1歳〜2歳ごろ(ひも通しは1歳半〜)
- 用意するもの:ペットボトルのふた数個、ふたが通るくらいの穴を開けた空き箱、ひも通し用のひも(短めに)
- 安全メモ:ふたもひもも誤飲・誤って首に巻く心配があるため、必ずそばで見守りを
手先のお仕事・ここがポイント
- つまむ・落とす・通すは、指先を使う経験につながると言われています
- 「もう一回」を繰り返すのは集中している証。止めずに見守って
- パーツはすべて誤飲注意。大きめを選び、そばで見守る
日常生活につながるお仕事アイデア(1歳半〜3歳ごろの目安)

そういえばモンテって「お着替え」とか「お手伝い」みたいな、暮らしのこともやるって 聞きました。あれも100均でできますか?
できますよ。モンテッソーリでは、そうした暮らしの動きを「日常生活の練習」と呼びます。 子どもは本当は、大人のまねをして「自分でやりたい」んです。その気持ちを100均グッズで 応援してあげましょう。
「自分でやりたい」が芽ばえる時期には、暮らしの動きをまねするお仕事がよく合います。 うまくできなくても大丈夫。やってみたい気持ちを大切にしてあげてください。
スポンジで水うつし・注ぐ練習
小さく切ったスポンジで、片方の器から水を吸って、もう片方の器へ「うつす」お仕事です。 慣れてきたら、小さなピッチャーや計量カップで「注ぐ」練習にも進めます。水がこぼれても 大丈夫なように、トレーの上で行うと後片づけが楽になります。
- 対象月齢の目安:1歳半〜2歳半ごろ
- 用意するもの:スポンジ(小さめ)、器2つ、あればトレーや小さなピッチャー、こぼれ用のふきん
- 安全メモ:水を扱うので、そばで見守りを。床がすべりやすくなる点にも注意
洗濯ばさみ・マジックテープの開け閉め
洗濯ばさみを容器のふちにはさむお仕事は、指先の力とつまむ動きを同時に使えます。 また、マジックテープを貼ったフェルトを「くっつける・はがす」遊びも、着替えの 練習の入口になります。どちらも身近な材料で用意できます。
- 対象月齢の目安:2歳〜3歳ごろ
- 用意するもの:洗濯ばさみ(力の弱いもの)、はさむ器やダンボール、フェルト、貼ってはがせるマジックテープ
- 安全メモ:洗濯ばさみは指をはさむことがあります。開閉が固すぎないものを選んで
日常生活のお仕事・ここがポイント
- 「自分でやりたい」気持ちに寄り添うのがいちばん
- こぼす・失敗するのは学びの途中。先回りして手を出しすぎない
- 水・小物は誤飲やすべりに注意し、そばで見守る
感覚・見立てを育てるお仕事アイデア(2〜3歳ごろの目安)

色を分けたり、形を合わせたり……そういう「考える」お仕事も100均でできるんですか?
もちろんです。色や形、大小をくらべる経験は、ものを見分ける力につながると言われています。 セリアやダイソーで手に入りやすいフェルトや木製グッズが大活躍しますよ。
色や形をくらべ、「同じ」「ちがう」を感じ取る経験は、感覚を育てることにつながると 言われています。少し月齢が上がってきたお子さまに向いたアイデアです。
フェルトの色合わせ・形合わせ
フェルトは、色や形を自由に切り出せるので、おうちモンテの強い味方です。同じ色どうしを 合わせる「色合わせ」、丸・三角・四角を対応させる「形合わせ」など、切り方しだいで いろいろなお仕事が作れます。角を丸く切ると、小さなお子さまにもやさしい仕上がりです。
- 対象月齢の目安:2歳〜3歳ごろ
- 用意するもの:色ちがいのフェルト数枚、はさみ(大人が使う)、台紙になるフェルトや厚紙
- 安全メモ:小さく切ったフェルトは口に入れないよう見守りを。切る作業は大人が担当
木製トレーやおぼんで「一人分」を整える
セリアやダイソーで手に入りやすい木製のトレーやおぼんに、お仕事の道具を「一人分」 まとめて置いてあげると、子どもは自分で持ってきて、また戻す——という一連の流れを 経験できます。「始めて、片づけるまでが一つのお仕事」という感覚が育ちやすくなります。
- 対象月齢の目安:2歳〜3歳ごろ
- 用意するもの:木製トレーやおぼん、その中に置くお仕事の道具一式
- 安全メモ:トレーの角やささくれがないか、使う前に確認を
感覚・見立てのお仕事・ここがポイント
- 「同じ・ちがう」を見分ける経験は感覚を育てると言われています
- トレーで「一人分」にまとめると、始める・片づけるが身につきやすい
- フェルトの小片は誤飲注意。切る作業は大人が
100均アイテムを”教具っぽく”見せる小ワザ

アイデアは分かったんですけど……100均のものって、なんだか ごちゃっとして見えちゃう気がして。うまく置くコツはありますか?
いいところに気づきましたね。じつは「見せ方」を少し工夫するだけで、子どもの集中が 変わってくるんですよ。難しいことはしなくて大丈夫です。
同じ材料でも、ちょっとした置き方で子どもは取り組みやすくなります。お金をかけずに できる、見せ方の小ワザをいくつか紹介します。
- 色や柄を減らす:容器やトレーは無地・シンプルなものを選ぶと、子どもがお仕事そのものに集中しやすいと言われています
- 一人分をトレーにまとめる:一つのお仕事の道具を一つのトレーに。取り出して、また戻せる形に
- 子どもの手が届く低い場所に置く:自分で選んで、自分で戻せる高さが理想です
- 数を絞る:棚に並べるのは数点だけ。多すぎると選びきれず、かえって集中しにくくなることも
見せ方の小ワザまとめ
- 無地・シンプルな器を選ぶ
- 一人分をトレーにまとめる
- 低い場所に、少しだけ置く
まとめ(今日、100均で一つだけ)

- おうちモンテは、セリアやダイソーで手に入りやすい身近な材料で、気軽に始められます
- 手先(つまむ・落とす)→日常生活(うつす・開け閉め)→感覚(色・形合わせ)と、お子さまの「今」に合わせて選んで
- 対象月齢はあくまで目安。小さなパーツの誤飲に注意し、必ず大人が見守れる範囲で
- あれこれ揃えず、まずは一つだけ。今夢中なことに合うものから
- 品揃えは店舗・時期により異なります。同じものが無ければ、似た形・素材で代用を
なんだか、今すぐお店に行きたくなりました! まずは、うちの子がハマってる 「落とす」お仕事から作ってみます。
それがいちばんですよ。高価な教具を揃えることより、まず一つ、お子さまの「やりたい」に 寄り添ってみること。あなたのペースで、楽しんでいきましょうね。
「手作りだけでなく、市販の教具やレンタルも気になってきた」という方向けに、教具の 揃え方を比べる記事も準備しています(準備中)。
「なんで今、この動きばかり繰り返すの?」という背景を知りたい方は、敏感期についての記事もあわせてどうぞ。
(※ おうちで受けられるモンテッソーリレッスンは現在準備中です。くわしくは追ってお知らせします。)