赤ちゃんのために、モビールを手作りしてみたい——そう思って材料や作り方を探している方へ、この記事ではモンテッソーリのムナリ・モビールを例に、身近な材料・大まかな手順・きれいに仕上げるコツ、そして安全な吊るし方までを順にお話ししていきます。
先生、赤ちゃんに手作りのモビールを作ってあげたいんです。でも、何から用意して、どう吊るせば安全なのか分からなくて……。
その気持ち、すてきですね。今日は白黒のムナリ・モビールを例に、材料選びから飾り方まで一緒に見ていきましょう。作る前に「安全な吊るし方」まで知っておくと、安心して楽しめますよ。
そもそもモビールをいつから・どの種類から使うのかを知りたい方は、先にモンテッソーリ・モビールの4種類と安全な飾り方を読んでおくと、この記事の内容がぐっと分かりやすくなります。理論はあちら、作り方はこちら、という姉妹記事です。
手作りの前に|ムナリ・モビールってどんなもの?
ムナリ・モビールは、生まれたばかりの赤ちゃんが最初に見つめる白と黒の幾何学模様のモビールです。デザイナーのブルーノ・ムナリにちなんだ名前で、白黒のはっきりした形と、光を受ける透明な球を組み合わせて作ります。
新生児の赤ちゃんは、色よりも明暗のはっきりした差に気づきやすい時期。だからこそ、手作りするなら白黒からというのが、いちばん理にかなっています。円・三角・四角といった単純な幾何学形なので、材料さえ揃えば家庭でも作りはじめられます。
白黒って地味かなと思ったんですけど、赤ちゃんにはそのほうが見やすいんですね。
そうなんです。カラフルなものより、白黒のコントラストのほうが、この時期の赤ちゃんの目には届きやすいんですよ。
100均で揃うモビールの手作り材料と道具

うれしいことに、モビールの手作り材料の多くは100均(セリア・ダイソーなど)で揃います。モンテッソーリのムナリ・モビールも、特別な教材を買わなくても、身近なもので始められます。
材料の目安
- 白と黒の厚紙(画用紙・工作用紙)……幾何学の形を切り出します
- 透明なアクリル球(割れにくいプラスチック素材のもの)……光を受けてゆらめく部分に。ガラス製は割れると危ないので避けます
- 吊るす棒(竹ひご・細い丸棒・園芸用の細い支柱など)
- 白い糸やテグス(透明の釣り糸)……形と棒をつなぎます
- 手芸用の小さなリング、天井に留める金具やフック
道具の目安
- はさみ・カッター(きれいな直線・曲線を切るため)
- 定規・コンパス・型を取る下書き用の鉛筆
- 木工用ボンドや両面テープ
品揃えは店舗や時期で変わるので、同じものが無いときは似た素材で代用してかまいません。糸は白か透明を選ぶと、白黒の形そのものが引き立ちます。身近な材料でおうちモンテを始めるアイデアは、100均でできるおうちモンテのお仕事にもまとめています。
ムナリ・モビールの作り方|大まかな手順

作り方は、大きく分けて「形を切る → 糸でつなぐ → 棒でバランスを取る → 吊るす」の4ステップです。ここでは家庭で作るときの大まかな流れを紹介します。
- 幾何学の形を切り出す……白い厚紙・黒い厚紙から、円・三角・四角などの形を切り出します。表を白、裏を黒のように貼り合わせると、揺れるたびに明暗が入れ替わって見えます。
- 透明な球を用意する……光を受ける透明球は、形とは別の高さに吊るすと、動きに変化が出ます。
- 糸でつなぐ……それぞれの形に糸を通し、棒に結んでいきます。結び目はほどけないよう二重に。
- 棒でバランスを取る……1本の棒の両端に形を吊るし、水平になる位置を探します。上下に棒を重ねて、段々のバランスを作っていきます。
「作り方は簡単そう」と感じるかもしれませんが、実際にやってみると形を左右対称にきれいに切ることと棒を水平に保つことが、思いのほか手間のかかる工程です。次でそのコツをお話しします。
きれいに仕上げるコツ|バランスと正確なカット

手作りモビールの仕上がりを左右するのは、大きく2つ。幾何学形状の正確なカットとバランスの取り方です。
ムナリ・モビールは単純な形の集まりだからこそ、円がゆがんでいたり、三角の辺が左右で違っていたりすると、意外と目立ちます。コンパスや定規で下書きし、ゆっくり切ること。同じ形を複数作るときは、1枚を型紙にして写すと揃いやすくなります。
バランスは、棒に糸を結ぶ位置を少しずつずらしながら、指1本で棒を支えて水平になる点を探すのが基本です。ここは一度で決まらず、何度も微調整することになります。
正直にお伝えすると、ムナリ・モビールの手作りは、思っている以上に時間がかかります。とくに正確な幾何学のカットは、仕上がりの印象をそのまま決めてしまう工程です。そのぶん、自分の手で作りあげたモビールを赤ちゃんが見つめてくれる時間には、格別のうれしさがありますよ。
モビールを手作り|赤ちゃんに安全な吊るし方

手作りモビールでいちばん大切なのが、吊るし方です。軽く見えても、糸・棒・小さな部品を使っているので、飾る前に安全を整えておきましょう。
部品が外れない工夫をする
- 糸の結び目は二重にし、使うたびにゆるみやほどけがないか確かめる
- 透明球や小さな飾りは、しっかり接着・固定して外れないようにする
- 棒と糸のつなぎ目、天井の金具も、落ちてこないか毎回たしかめる
顔の真上ではなく、少し先に飾る
赤ちゃんをあお向けにしたとき、モビールが顔の真上に落ちてこない位置——視線の少し先に飾ります。万が一外れても顔にかからない場所を選ぶことが、安全の基本です。
手の届かない高さに、しっかり固定する
- 赤ちゃんが手を伸ばしても届かない高さに吊るす
- 天井やフックにしっかり固定し、ぐらつかないようにする
- 手を伸ばしてつかもうとしはじめたら、視覚モビールは卒業の合図
眠る場所には常設しない
モビールは、赤ちゃんが起きて過ごす活動スペースで、大人がそばで見守れる時間に使うものです。ベビーベッドなど眠る場所に置きっぱなしにせず、寝かせるときは外すか、安全に離れた場所へ移してください。
対象月齢の目安は、視覚モビールとしては新生児期から、手を伸ばしはじめる生後4〜5か月ごろまで。発達には幅があるので、月齢表よりも赤ちゃんの様子を手がかりにしてください。
手作りモビールの安全チェック
- 糸・棒・部品が外れないか、使うたびに確かめる
- 顔の真上を避け、落ちてこない位置に飾る
- 手の届かない高さに、しっかり固定する
- 眠る場所には常設せず、起きている時間に見守って使う
保育園でのモビール製作にも

ムナリ・モビールの考え方は、保育園での製作にも取り入れやすいものです。白黒の幾何学というシンプルな構成なので、材料も少なく、月齢の低いクラスの環境づくりに向いています。
園で飾るときも、家庭と同じで安全がいちばん。手の届かない高さ、落ちてこない位置、しっかりした固定——この3点は必ず守ってください。乳児クラスでは、子どもが動きまわる導線に入らない場所を選ぶことも大切です。
よくある質問
モビールの手作りは簡単ですか?
形を切ってつなぐ工程そのものは、身近な材料でできます。ただ、円や三角を左右対称にきれいに切ること、棒を水平にバランスさせることには手間がかかります。時間に余裕をもって、ゆっくり取り組むのがおすすめです。
100均の材料だけで作れますか?
厚紙・糸・棒・透明球など、多くはセリアやダイソーで揃います。品揃えは店舗や時期で変わるので、同じものが無ければ似た素材で代用してください。糸は白か透明を選ぶと、白黒の形が引き立ちます。
いつまで使えますか?
視覚モビールは、赤ちゃんが手を伸ばしてつかもうとしはじめたらおしまいの合図です。目安は生後4〜5か月ごろまで。手が届く時期になったら外して、にぎって遊べる触覚の教具へ移っていきます。
白黒以外の色で作ってもいいですか?
ムナリの次の段階として、色や濃淡、複雑な動きのモビールへ進んでいきます。順番や種類のちがいは、モビールの4種類と飾り方の記事にまとめているので、あわせてどうぞ。
まとめ|手間はかかるけれど、手作りだからこその時間を
- ムナリ・モビールは白黒の幾何学+透明球で、新生児期から見つめやすい作りです
- 材料の多くは100均で揃い、身近なものから手作りを始められます
- 作り方は「切る→つなぐ→バランス→吊るす」の4ステップ。正確なカットとバランス取りが仕上がりを左右します
- 吊るし方は、顔の真上を避け、手の届かない高さにしっかり固定。眠る場所には常設しません
- 対象月齢の目安は新生児期〜生後4〜5か月ごろ。月齢表より赤ちゃんの反応を手がかりに
作り方だけじゃなくて、吊るし方の安全まで分かって安心しました。まずは白黒の形を切るところから、ゆっくりやってみます。
それがいちばんですよ。うまく切れなくても、水平が少しずれても、赤ちゃんはちゃんと見てくれます。ご家族で楽しみながら、少しずつ作ってみてくださいね。
モビールの種類や替え時、卒業のサインをもう一度おさらいしたい方は、モンテッソーリ・モビールの4種類と安全な飾り方へ戻ってみてください。
(※ おうちで受けられるモンテッソーリレッスンは現在準備中です。くわしくは追ってお知らせします。)