はっきりした色の八面体をよく見てくれた赤ちゃんに、次は色の「濃さのちがい」を見せてあげたい——そんな方へ、この記事ではモンテッソーリのゴビ・モビールを例に、身近な材料・大まかな作り方・きれいに仕上げるコツ、そして安全な吊るし方までを順にお話ししていきます。
先生、八面体の色はよく見てくれたので、次のモビールに進みたいんです。ゴビって、同じ色ばかりで地味に見えるんですけど、どう作ればいいんですか?
いい流れですね。ゴビ・モビールは、同じ色を薄いものから濃いものへ、少しずつ濃淡を変えた5つの球を並べるもの。八面体の「はっきりした色」の次に、「色の濃さのちがい」を見つめる段階なんです。今日は材料選びから安全な吊るし方まで、一緒に見ていきましょう。
まだ八面体を作っていない方や、モビールをいつから・どの順番で使うのかを知りたい方は、先にモンテッソーリ・モビールの4種類と安全な飾り方を読んでおくと、この記事がぐっと分かりやすくなります。ひとつ前の色のモビールから作りたい方は、八面体モビールの作り方へどうぞ。
手作りの前に|ゴビ・モビールってどんなもの?
ゴビ・モビールは、同じ色の糸を、明るい色から濃い色へ段階的に巻いた5つの球を並べたモビールです。刺繍糸を球に巻いたものが伝統的な作り方で、たとえば水色から濃い青へ、といったひとつの色の濃淡を、薄いほうから濃いほうへ順にたどって見ていきます。
八面体までは、赤・青・黄というはっきり違う色を見てきました。ゴビでは色がガラッと変わるのではなく、少しずつ移り変わる濃淡を見つめます。並べ方も特徴的で、薄い色を高く、濃い色を低くと、5つを階段状に吊るします。
順番でいうと、モンテッソーリの視覚モビールはムナリ→八面体→ゴビ→ダンサーと進みます。ゴビを使うのは、目安として生後1〜3か月ごろ。色のついたものをじっと見たり、目でゆっくり追ったりする姿が増えてきたら、ちょうどいいころあいです。
同じ色なのに、赤ちゃんはちがいが分かるんですか?
分かるようになっていく途中なんですよ。この時期の赤ちゃんは、色の種類だけでなく、同じ色の中の「濃い・薄い」も少しずつ見分けはじめます。だから、わざと濃淡だけを並べて、そのちがいをゆっくり味わえるようにしてあげるんです。
月齢は選ぶときのおおよその目安です。動くものを目で追う力の育ち方には一人ひとり幅があるので、カレンダーどおりに替えるより、赤ちゃんが心地よさそうに眺めているかを手がかりにしてください。
100均で揃うゴビ・モビールの材料と道具

ゴビ・モビールの材料も、多くは100均(セリア・ダイソーなど)で揃います。ポイントは、同じ色で濃淡の違う糸を5色そろえること。八面体の光沢紙とちがって、ゴビはやわらかな色の移り変わりが主役になります。
材料の目安
- 発泡スチロールの球(同じ大きさのもの5つ)……糸を巻く土台になります。手芸コーナーで見つかります
- 同系色の刺繍糸(濃淡ちがいで5色)……たとえば水色→青→濃い青のように、薄い色から濃い色へ段階をつけます
- 吊るす棒(竹ひご・細い丸棒・園芸用の細い支柱など)
- 白い糸やテグス(透明の釣り糸)……球と棒をつなぎます
- 手芸用の小さなリング、天井に留める金具やフック
道具の目安
- はさみ(糸を切るため)
- 木工用ボンドや両面テープ(糸の巻きはじめ・巻き終わりを留めます)
- 定規(吊るす高さの段差を決めるとき)
品揃えは店舗や時期で変わるので、同じものが無いときは似た素材で代えてかまいません。刺繍糸で1色ずつ濃淡をそろえるのが難しいときは、同系色の毛糸や、色の濃さの違う布を巻く・貼る方法でも代用できます。大切なのは、糸そのものより「薄い→濃い」の並びがはっきり見えることです。身近な材料で始めるアイデアは、100均でできるおうちモンテのお仕事にもまとめています。
ゴビ・モビールの作り方|球に糸を巻いて階段状に吊るす

作り方は、大きく分けて「球に糸を巻く → 濃淡をそろえる → 階段状に吊るす」の流れです。ここでは家庭で作るときの大まかな手順を紹介します。
- 球に糸を巻く……発泡スチロールの球に、刺繍糸をすき間なく巻きつけていきます。巻きはじめをボンドで軽く留めてから、球の表面が見えなくなるまで、向きを少しずつ変えて巻いていきます。巻き終わりも留めておきます。
- 5つを濃淡でそろえる……同じ手順で、薄い色から濃い色まで5つの球を作ります。作り終えたら、いちばん薄い色からいちばん濃い色へ、横に並べて濃淡の順番を確かめます。
- 糸で吊るす準備をする……それぞれの球の上に、吊るす用の糸を通します。球のてっぺんに糸を刺してボンドで留めるか、球の中心を通して結ぶと、まっすぐ下がります。
- 階段状に吊るす……棒に5つを並べて結びます。このとき薄い色を高く、濃い色を低くと、少しずつ高さをずらして階段状に吊るすのがゴビらしさです。段差の大きさは、定規で目安をつけながらそろえます。
「作り方は簡単そう」と感じるかもしれませんが、実際にやってみると糸を球にむらなく巻くことと5つの段差をきれいにそろえることが、思いのほか手間のかかる工程です。まずは1つの球で巻き方を試してから、残りの4つに進むのがおすすめです。
きれいに仕上げるコツ|糸の巻き方・濃淡の段差・階段のバランス

ゴビ・モビールの仕上がりを左右するのは、大きく3つ。糸の巻き方、濃淡の段差、そして階段状のバランスです。
糸の巻き方は、すき間なく・重なりすぎずが基本です。同じ方向にばかり巻くと土台の球が見えてしまうので、少しずつ向きを変えながら、表面をまんべんなく覆っていきます。きつく引っぱりすぎると球がへこむので、力は控えめに。ここは根気のいる工程ですが、丁寧に巻くほど、まんまるでやわらかい球に仕上がります。
濃淡の段差は、5つの色の「明るさの差」が等間隔になるように選ぶのがコツです。薄い2色が似すぎていたり、途中で急に濃くなったりすると、なめらかな移り変わりに見えません。糸を買うときに、実際に薄い順に並べて、段差がそろっているかを見てから選ぶと失敗が少なくなります。
階段状のバランスは、棒に結ぶ高さを少しずつずらしながら、段差をそろえていきます。5つの球はほぼ同じ重さなので、水平よりも高さの階段をきれいに見せることが仕上がりの決め手です。指1本で棒を支えて、傾きすぎていないかも確かめておきましょう。
正直にお伝えすると、5つの球にむらなく糸を巻く工程は、思っている以上に時間がかかります。そのぶん、やわらかな濃淡の階段を赤ちゃんが目でたどってくれる時間には、格別のうれしさがありますよ。
ゴビ・モビールの安全な吊るし方

手作りモビールでいちばん大切なのが、吊るし方です。ゴビは球や糸を使うぶん、巻いた糸のゆるみや、球と棒をつなぐ部分の点検を、飾る前にしっかり整えておきましょう。安全の考え方は、ムナリモビールの手作り記事の吊るし方とまったく同じです。ここでは要点を4つにまとめます。
部品が外れない工夫をする
- 糸の結び目は二重にし、使うたびにゆるみやほどけがないか確かめる
- 球に巻いた糸の端がほどけていないか、球が糸から抜けないかをたしかめる
- 棒と糸のつなぎ目、天井の金具も、落ちてこないか毎回たしかめる
顔の真上ではなく、少し先に飾る
赤ちゃんをあお向けにしたとき、球が顔の真上に落ちてこない位置——視線の少し先に飾ります。万が一外れても顔にかからない場所を選ぶことが、安全の基本です。
手の届かない高さに、しっかり固定する
- 赤ちゃんが手を伸ばしても届かない高さに吊るす
- 天井やフックにしっかり固定し、ぐらつかないようにする
- 手を伸ばしてつかもうとしはじめたら、視覚モビールは卒業の合図
眠る場所には常設しない
モビールは、赤ちゃんが起きて過ごす活動スペースで、大人がそばで見守れる時間に使うものです。ベビーベッドなど眠る場所に置きっぱなしにせず、寝かせるときは外すか、安全に離れた場所へ移してください。
対象月齢の目安は、ゴビ・モビールとしては生後1〜3か月ごろから、手を伸ばしはじめる生後4〜5か月ごろまで。発達には幅があるので、月齢表よりも赤ちゃんの様子を手がかりにしてください。
ゴビ・モビールの安全チェック
- 糸・棒・巻いた糸の端が外れないか、使うたびに確かめる
- 顔の真上を避け、落ちてこない位置に飾る
- 手の届かない高さに、しっかり固定する
- 眠る場所には常設せず、起きている時間に見守って使う
よくある質問
ゴビ・モビールはいつから使えますか?
目安は生後1〜3か月ごろ、はっきりした色の八面体の次の段階です。色のついたものをじっと見たり、目でゆっくり追ったりする姿が増えてきたころが、替えどきのサインになります。今のモビールを心地よさそうに見ているなら、急いで替えなくてかまいません。
八面体とゴビ、順番が前後してもいいですか?
大丈夫です。ムナリ→八面体→ゴビ→ダンサーの順番は、「はっきりした色→色の濃淡→複雑な動き」という見る力の育ちに沿った目安で、月齢も重なっています(八面体は生後1〜2か月ごろ、ゴビは生後1〜3か月ごろ)。今のモビールを心地よさそうに見ているならそのまま、別のものに目を向けはじめたり、飽きたサインが見えたりしたら次へ——カレンダーではなく、赤ちゃんの様子を手がかりにしてください。
何色で作るのがいいですか?
ひとつの色にしぼって、その濃淡を5段階にするのが基本です。青系・緑系・赤系など、家庭にある糸で作りやすい色でかまいません。大切なのは、色の種類を増やすことより、薄い→濃いの移り変わりがなめらかに見えること。まずは1色を選んで、その濃淡をそろえてみてください。
濃淡の段差がうまく作れません
薄い順に糸を並べて、色と色の「明るさの差」が均等になっているかを見てみてください。途中に似すぎた色が2つあると、そこだけ段が消えて見えます。5段がむずかしいときは、まず3段から始めて、慣れたら間の色を足していく作り方でも大丈夫です。糸で濃淡がそろえにくいときは、同系色の毛糸や布で代用してもかまいません。
八面体やムナリを飛ばして、ゴビから始めてもいいですか?
色の濃淡から始めたいときは、ゴビからでも大丈夫です。ただ、生まれてすぐの新生児期は、濃淡の細かなちがいより、白黒のはっきりした明暗や、はっきりした色のほうが見つめやすい時期です。色のついたものをじっと見る姿が増えてきたころなら、ゴビから入る方法も選べます。順番のちがいは、モビールの4種類と飾り方の記事にまとめているので、あわせてどうぞ。
まとめ|同じ色の濃淡を、階段状のひと手間で

- ゴビ・モビールは、同じ色の濃淡ちがいの球を5つ、薄い色から濃い色へ階段状に吊るす、色の濃淡を楽しむモビールです
- 順番は八面体→ゴビ。目安は生後1〜3か月ごろ、はっきりした色の次の段階です
- 材料の多くは100均で揃い、同系色の濃淡の糸が主役になります
- 作り方は「球に糸を巻く→濃淡をそろえる→階段状に吊るす」。糸の巻き方と濃淡の段差が仕上がりを左右します
- 吊るし方は、顔の真上を避け、手の届かない高さにしっかり固定。眠る場所には常設しません
同じ色でも、濃淡を階段にすると意味があるんですね。まずは1つの球に、丁寧に糸を巻くところから始めてみます。
それがいちばんですよ。巻きむらが少し残っても、段差が完璧でなくても、赤ちゃんはちゃんと濃淡を目でたどってくれます。ご家族で楽しみながら、ゆっくり作ってみてくださいね。
はっきりした色の八面体からおさらいしたい方は八面体モビールの作り方へ、モビール全体の順番や替え時をもう一度確かめたい方はモンテッソーリ・モビールの4種類と安全な飾り方へ戻ってみてください。
(※ おうちで受けられるモンテッソーリレッスンは現在準備中です。くわしくは追ってお知らせします。)