「モンテッソーリ教育」という言葉を、育児本やSNSで見かけたことはありませんか。気になるけれど、なんだか難しそう——そんな方に向けて、0〜3歳のお子さまを育てる保護者がまず知っておきたい基本を、やさしくお話しします。むずかしい理論は横に置いて、この部屋の「先生」といっしょにのぞいてみましょう。
モンテッソーリ教育とは?
ひとことで言うと

先生、あちこちで「モンテッソーリ」って聞くんですけど……正直、何がすごいのか分かっていなくて。ひとことで言うと、どういう教育なんですか?
気になりますよね。ひとことで言うと、「子どもには自分で育つ力がある」と信じて、その力をそっと手伝う教育、なんですよ。大人が上から教え込むのとは、少し発想が違うんです。
「教え込む」より「自分で育つ力」を大切にする教育
モンテッソーリ教育は、イタリアの医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリが考えた教育法です。その根っこにあるのは、「子どもは自分自身を育てる力を持っている」という考え方だと言われています。
大人がすべてを教え込むのではなく、子どもが「今やりたい」と思っていることに集中できる環境を整える。そして、必要なところだけそっと手を貸す。この「見守る」姿勢が、モンテッソーリ教育の大きな特徴です。
ここだけ覚えておけばOK
- 主役は「大人」ではなく「子ども自身」
- 教え込むより、自分でやってみる環境を整える
- 大人の役割は「先生」というより「手伝う人・見守る人」
100年以上、世界で続いてきた教育法です
モンテッソーリ教育が最初の施設として形になったのは、今からおよそ100年以上前のこと。それ以来、世界中の国々で実践され続けてきました。長く残ってきたということは、それだけ多くの家庭や園で「なるほど」と受け止められてきた、ということでもあります。
100年以上ですか。ずいぶん長く続いているんですね。ちょっと安心しました。
そうですね。もちろん「これさえやれば完璧」という魔法ではありません。でも、長く続いてきた考え方には、耳を傾けてみる価値があると思うんですよ。
モンテッソーリ教育で、子どもの何が育つの?

でも先生、結局それでうちの子は何が伸びるんでしょう? お勉強ができるようになる、とか……?
気になりますよね。ただ、「頭が良くなる」といった効果を約束するものではないんです。どちらかというと、もっと土台の部分——「自分でできた」という自信や、集中する力を育てていく教育だと考えられています。
「自分でできた」という自信(自立)
モンテッソーリ教育がいちばん大切にしているのは、「自分でできた」という体験だと言われています。靴を自分で履けた。コップの水を自分で注げた。そんな小さな「できた」の積み重ねが、「自分でやってみよう」という気持ちを育てていきます。
大人がつい手を出したくなる場面でも、少しだけ待つ。この「待つ」が、子どもの自立を支える大事な関わりになります。
集中する力と、選ぶ力
同じ遊びを何度も繰り返したり、ひとつのことにじっと没頭したり。0〜3歳の子どもには、そんな「集中する力」がもともと備わっていると言われています。モンテッソーリ教育では、その集中を大人が邪魔しないことを、とても大切にします。
また、「どれで遊ぶか」を子ども自身に選ばせることで、「自分で決める力」も少しずつ育っていきます。
育つと言われているもの(※あくまで目安・個人差があります)
- 「自分でできた」という自信
- ひとつのことに集中する力
- 自分で選び、決める力
なぜ0〜3歳の時期に注目されるの?

うちの子はまだ1歳なんですけど、そんな小さいうちから関係あるんですか?
むしろ0〜3歳は、モンテッソーリ教育でとても大切にされている時期なんですよ。この時期には、「今これに夢中!」という強い興味が、次々に現れると言われているんです。
この時期の「今これに夢中」=敏感期
ある時期に、特定のことをぐんぐん吸収しようとする——モンテッソーリ教育では、これを「敏感期(びんかんき)」と呼びます。むずかしい言葉ですが、要は「今この力を伸ばしたくてたまらない時期」のことだと思ってください。
たとえば、同じ絵本を何度も読んでほしがる。小さなゴミを一生懸命つまむ。ティッシュを延々と引き出す。大人には「なんで?」と思える行動も、実はその子なりの「学び」の最中かもしれない、という見方をします。
おうちでも始められますか?

なんだか良さそうなのは分かってきました。でも、教室に通ったり、高い教具を揃えたりしないとダメなんですよね……?
いいえ、そんなことはありませんよ。いちばん大事なのは「関わり方」なので、実はおうちでも、今日から始められるんです。
特別な教具がなくても、関わり方から始められます
モンテッソーリ教育というと、木でできた専用の教具を思い浮かべる方も多いかもしれません。でも、家庭で始める第一歩は、道具よりも「大人の関わり方」です。
- 子どもが夢中になっているときは、そっと見守る
- つい手を出したくなっても、少しだけ待つ
- 「自分でやりたい」を、できる範囲でかなえてあげる
これだけでも、じゅうぶんモンテッソーリ的な関わりの入り口になります。お金も特別な準備も要りません。
まとめ
- モンテッソーリは「子ども自身が育つ力」を大切にする教育
- 育つと言われるのは、自信・集中力・選ぶ力(※個人差あり)
- 0〜3歳は「今これに夢中」=敏感期が現れる大切な時期
- おうちでは、道具より「関わり方」から始められる
まとめ:完璧じゃなくていい、
まず知ることから

なんだか、思っていたより身近なものだったんですね。ちゃんとやらなきゃ、って構えていました。
そう感じていただけたら嬉しいです。モンテッソーリは、完璧を目指すものではありません。「へえ、そういう見方があるんだ」と知っておくだけでも、お子さまへのまなざしが少し変わっていくと思いますよ。あなたのペースで、少しずつで大丈夫です。
このブログ「モンテのお部屋」では、こうしたモンテッソーリの考え方を、日々の育児のなかで無理なく取り入れられる形でお話ししていきます。むずかしく考えず、気になったところからのぞいてみてくださいね。
なお、お子さまの発達について気になることが続く場合は、かかりつけの先生や地域の相談窓口など、専門機関にご相談いただくのがいちばん安心です。
※ おうちで受けられるモンテッソーリレッスンは現在準備中です。くわしくは追ってお知らせします。